憧れの抹茶の緑

母が茶道教室に通い始めて、やっと初心者用の道具もそろえた頃です。今日は一服点ててあげるわというので、興味津々で居間に行きました。

田舎の小学生だった私にとって、始めて見た抹茶の色は、驚くほど鮮やかな緑色でした。細かな泡が立っていい香りがして、飲むのが惜しいほどすてきでした。ドキドキしながらいただいたのを覚えています。

当時お菓子作りに凝っていたので、さっそく抹茶を少し分けてもらってクッキーに入れて焼いてみました。ココアを混ぜるやり方を参考にして、いつも通りに焼いたのです。

結果はびっくりするほどひどい色でした。焼くことで抹茶の緑が退色してしまっていたのです。これはショックでした。どうしてこうなったのか母に聞くと、抹茶はお茶の葉を粉に挽いたもので、色素などが無添加だから熱で色がとんだのだろうと教えてくれました。天然の色は弱いのだな、と小学生なりに納得したものです。

大学生になり、京都に暮らすようになって抹茶好きがさらにパワーアップすることになりました。便利なネット通販などない時代です。京都のお菓子を買って帰省する私を家族も心待ちにしてくれました。

家族みんなも抹茶を使ったお菓子が大好きでした。探せばいくらでも抹茶のお菓子が見つかるのです。京都の友達に教えてもらって抹茶のスイーツ作りも再開しました。ババロアやアイスクリームなど、冷たいお菓子なら退色の心配もなく、香りもそのまま楽しめます。実家でもよく作って好評でした。

就職して京都を離れましたが、今も抹茶スイーツには目がありません。地元がお茶の産地だけあって最近は抹茶スイーツが爆発的に増えているようです。

どうしてこんなにも抹茶が好きなのか、考えるにあの緑色が好きなのだと思うのです。和服の抹茶色というのは渋めの緑ですが、飲む抹茶の色は彩度の高いはっきりした緑です。色素など人工的なものは無添加なのにあの美しい緑色をだす、自然の力は素晴らしいと思います。

特に最近はネット通販で日本中の抹茶スイーツが手に入るので、抹茶熱が冷めるヒマがありません。抹茶は時間がたつとそれ自体も少しずつ劣化するのですが、今のネット通販は少量お試しパックなどというものもあって、香りが飛ぶのもあの大切な緑が退色するのも気にせず買えるようになりました。当然のように無添加、無着色と表示されていて、安心して買えます。

春は抹茶のスイーツが増えますが、ネット通販を使うようになってからは一年中うちで抹茶スイーツを切らしたことがありません。今の棚の一列は抹茶スイーツ専用のようになって、今ではいつでもそこだけ緑色です。

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