初任給で買った両親へのプレゼント

初任給でお世話になった両親にプレゼントをと考えた

初任給のプレゼントはお財布にも優しい焼き菓子を私が今まで生きてきた中で、一番心に残った贈り物。それは、初任給で買った両親への、感謝の気持ちを込めたプレゼントです。
私の実家は四国の山奥にあり、私は早くから都会に出たいと思っていました。その願いが叶ったのが大学進学の時。愛媛県松山市のとある大学に入学し、一人暮らしを始めました。大学生の時は、ほとんど家に帰らず、連絡も取っていませんでした。そして4年の月日が経ち、厳しい就職活動をなんとか乗り切り、大学と同じく松山市のとある企業に就職しました。右も左も分からないまま働いて、初めてもらった初任給。自分の物も買いたかったのですが、まずは、今まで苦労を掛けてきた両親に何か感謝のギフトを送ろうと心に決めていました。

商店街で見つけた焼き菓子を両手いっぱいに持って久しぶりの実家へ

さて、何を送ろうか。できるだけ高価なモノをと考えていましたが、自分の生活も考えると、予算は多くて数万円。テレビや掃除機といった電化製品はどうか、それとも服や財布などの身に着けるものがいいか、ネットでギフト用のサイトなども検索しつつ、やはり自分の目で見て選ぼうと思い立ち、街の商店街を散策。そして、目に飛び込んできたのは、マドレーヌのような形をした、とてもおいしそうな焼き菓子でした。
そういえば、父さんも母さんも甘いものが好きだったよな。普段は買わないようなお菓子を送れば喜んでくれるかも。
そう思った私は、とりあえず、見つけた焼き菓子を購入。可愛らしいデザインの白い缶に入ったクッキーも合わせて購入し、ギフト用にラッピングしてもらい、そのまま商店街を散策。実家ではあまりお目に掛からなかったおしゃれな洋菓子に狙いを定め、バウムクーヘンやラスク、チョコレートを挟んだクッキー、ドーナツなどなど。そのすべてをギフト用にラッピングしてもらったため、まるでお土産を買いすぎた旅行客のように、両手いっぱいにお菓子の箱を抱えていましたが、気持ちはウキウキ、足取りも軽く家路につきました。
しかし、すごい量だ。保存も考えて焼き菓子中心に選んだとはいえ食べきれるかな、と少々不安になりつつも、実家に電話。驚かそうと思い、足元に広がるお菓子の山をしり目に、ただ帰るということだけ伝え、そして次の日、電車で実家のある町まで帰りました。駅まで車で迎えに来てくれた父は、思惑通り、私の抱えるお菓子の山を見て驚愕。家に帰り、それを見た母も、少し呆れたように笑っていました。

感謝の気持ちを焼き菓子で伝えられた

焼き菓子は感謝の気持ちも伝えやすいお昼になり、お菓子と一緒に買ってあった紅茶を淹れて、家族で食べました。バウムクーヘンとクッキー、それから最初に買ったマドレーヌのような形をした焼き菓子で、父も母も、おいしいと言ってくれました。もっと高価なモノがよかった、と、母は冗談めかして言っていましたが、まさか私が初任給でプレゼントを買ってくるとは思っていなかったようで、少し涙ぐんでいたようにも思います。今までありがとう。なかなか帰らなくてごめん、と、甘いお菓子を食べつつ、私も少し泣きそうになりながら感謝の言葉を伝えることができました。
今まで育ててくれた両親への感謝のギフト。それが沢山の甘いお菓子であるといえば、人が聞けば、少し物足りないのではないかと思われるかもしれません。しかし、そのお菓子を両親と一緒に食べながら、私は今まで言えなかった感謝の言葉を伝えることができました。今でも、商店街などで焼き菓子の甘く香ばしい香りをかぐと、あの時の感覚がよみがえり、少し恥ずかしく感じつつも、とても清々しい気分になります。

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